白馬八方温泉と蛇紋岩 「生命の起源」研究の聖地

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白馬八方温泉の特徴はpH11を超える強アルカリ泉であること、そして源泉に近い部分では溶存水素濃度が基準値を超えており、日本で唯一の天然水素泉であることの2つです。
この2つの特徴に大きく影響しているのが蛇紋岩です。
日本列島は、中央地溝帯(フォッサマグナ)という大断層によって東北日本と西南日本とに分かれています。その大断層の西の縁である糸魚川−静岡構造線が、白馬村の中央を南北に流れる姫川沿いに通っています。

資料提供:東京工業大学地球生命研究所 ELSI

資料提供:東京工業大学地球生命研究所 ELSI


八方尾根は西南日本の東端に位置しており、地底深くのマントルと水が反応してできた蛇紋岩が地殻変動等により地上に現れている場所です。この蛇紋岩帯が八方尾根の環境形成に大きく影響を及ぼしています。このような蛇紋岩帯は珍しく、日本列島では、八方尾根から大断層沿いに数カ所のほかに、北海道アポイ岳、尾瀬の至仏山、谷川連峰の一部などがあります。しかし、八方尾根ほど広い範囲で蛇紋岩が地表に現れている場所はほかにないと言われています。
この蛇紋岩と熱水が反応してできた温泉が白馬八方温泉で、水素含有量が非常に多く、強いアルカリ性を示しているのです。

資料提供:東京工業大学地球生命研究所 ELSI

資料提供:東京工業大学地球生命研究所 ELSI


この特徴に注目した東京工業大学地球生命研究所(ELSI)が、この温泉をサンプルとして分析研究しており、「生命の起源」の謎を解く鍵が白馬八方温泉にあるということで世界から注目をされています。
詳しくは「白馬八方温泉通信Vol.1」をご覧ください»
また、蛇紋岩は、八方尾根の独自の植生の要因になっていたり、八方地区の細野諏訪神社の蛇紋岩神輿になっていたりと八方地域の生活と切っても切れない関係を持っています。
詳しくは「白馬八方温泉通信Vol.2」をご覧ください»


関連サイト:「東京工業大学地球生命研究所 ELSI」
     :「冥王代生命学の創成」